空き家を改修したイベントスペース「CRANE」潜入レポ

空き家問題は全国各地の地域課題としてポピュラーであると思いますが、長崎の空き家問題はさらに深刻な現状があります。

 

一般的な空き家というと、広い土地があって車を家の横に停め放題というイメージがありますが、長崎の空き家問題の特徴は、坂道かつ細道に面していることが多く、長年住んでいた方が坂道を登ることが難しいくらいご高齢になり、老人ホームなどに移り住むことから空き家になるケースが多く、さらに劣化した空き家は強風などで瓦が外れ、近隣の住民への被害が報告されているそうです。

そんな深い問題を持つ長崎の空き家。今回は絶望的なこの問題に光差し込むようなプロジェクトをご紹介します。

 


コンセプトは「地域でつくるモダン公民館」。

 

原爆の遺産である片足鳥居を横切り、坂道を上がること数分。

 

写真提供:CRANE

一見、THE空き家に見える一軒家が姿を表しました。

 

しかし中は、綺麗にフローリングされています。

 

中に入ると、シュールなネタが書かれた家具(?)がお出迎え。

 


写真提供:CRANE

プロジェクト名はCRANE(クレイン)。2019年11月に坂本町でオープンしたイベントスペースです。CRANEの名前の由来は「休憩所や新たなイベントを創り出す」という意味を持つ英語表記の頭文字Create Rest Area & New Events と、平和の象徴である鶴(ツル/crane)の2つの意味が掛け合わさっています。

 


なぜCRANEを運営しているの?

 

このCRANEを管理している代表の藤崎大河さんに話を伺いました。藤崎さんは長崎大学大学院工学研究科に在籍する学生で、大学の研究としてCRANEを運営しています。

藤崎さんの研究テーマは「空き家、空き地利活用による地域再生の可能性に関する研究」。

少子高齢化により空き家・空き地増加や地域コミュニティの衰退が深刻化しており、衛生環境の悪化、犯罪の増加、災害時の共助システムの崩壊につながる恐れがあります。

それならば、藤崎さんは空き家を改修してイベントの拠点にすることで地域活性化を目指せば良いのではないか?という仮説を検証しているそうです。

 

藤崎さんが所属していらっしゃる「長崎大学大学院工学研究科 安武研究室」は、建築計画・都市計画の研究室であり、これまでにも長崎市周辺の戸建住宅団地調査や長崎市の斜面地住宅の形態などをテーマに研究しています。

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資料提供:CRANE

CRANEとして改修される前は、戦後すぐに建てられた長屋が2軒連なった住居でした。そして時が流れ空き家になったこの場所を地元住民や研究室の学生の意見を交えながらどのように活用したら良いかについて話し合ったそうです。その結果、地域でつくるモダン公民館というコンセプトが生まれ、CRANEが誕生することになりました。

 

そして、普通の空き家活用プロジェクトと異なるところが一つ。それは、CRANEのメンバーが自治会に入会していること。きちんと自治会費を払い、地域住民の一人として溶け込んでいます。「地域の人に愛される拠点になるためには、まずは自分たちが自治会に入り、地域を知ることが大切である」と藤崎さんは言っており、自治会の行事や会議にも積極的に参加しているそうです。

 


MVに出演?CRANEの活用方法!

 

写真提供:CRANE

学生の手で改修されたCRANEは現在、3時間500円でイベントスペースとして活用されています。これまでに、アート展示企画や織物ワークショップなどが開催されました。

 

写真提供:CRANE

過去には長崎のミュージシャンのミュージックビデオ(MV)の撮影会場になったことも。

 

本当に雰囲気が良い場所なので、コロナ禍の影響が少なくなって対面イベントが開催できるようになれば、ここで小規模のイベントを計画したいと思いました。

実際にイベントとして使いたい方や興味のある方は、記事の最後にあるCRANEの連絡先までご連絡ください。

 


さいごに

 

写真提供:CRANE

冒頭にも触れましたとおり、長崎の空き家、特に斜面地の空き家は非常に大きな問題を抱えています。

さらに長崎は、高齢化や地域の問題が他の地域に比べて5〜10年ほど早く起こっていると言われています。逆の視点で見ると、これから全国各地で起こると考えられている地域課題の先取り学習が長崎ではできると捉えることもできますので、ここで良い対策・活用法を研究することはとても大切であると思いました。

 

今回ご紹介した空き家回収プロジェクトのCRANEが空き家問題を解決する一助になると期待していますし、これからのCRANEの活動が楽しみです。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

crane

長崎大学の安武研究室が中心となり,長崎市の空き家を改修し,多目的スペース「CRANE」として活用しています。…

フォロワー466人、フォロー中109人、投稿80件 ― 長崎大学空き家再生チームさん(@crane_nagasaki)の…

■今回訪れた場所
CRANE
住所:長崎市坂本2丁目6-40

Mail:crane1911.14@gmail.com
Instagram:@crane_nagasaki
※ご連絡はメールもしくはインスタグラムのDMからお送りください!

 

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