前回ご紹介した、思案橋電停すぐそばにある十八親和銀行が運営するコワーキングスペース「ダイアゴナルラン長崎」。
世はコワーキングスペース戦国時代!
日本最西端の長崎でも、たくさんのコワーキングスペースが開設されています。そんな中でも立地・環境に恵まれたユニークなコワーキングスペースの情[…]
気分で作業場所を点々としている僕ですが、先日ここを訪れた時に面白いものを見つけました。
それがこちらのコオロギビール。長崎市のお隣の市である西海市<さいかいし>を拠点としている昆虫食のスタートアップであるBugsWell株式会社さんの商品です。
昆虫食(食用コオロギ)のBugsWell株式会社公式サイトです。私たちBugsWellは、昆虫が持つ可能性をイノベーショ…
こちらのコオロギビールは食用コオロギを粉末にしてビールの材料にしているのだとか。
今だけ限定で試飲ができましたので、実際に飲んでみた感想と、食用コオロギの将来性についてご紹介します。
きっかけはダイアゴナルラン長崎にて。
いつも通り作業のためにコワーキングスペースを訪れましたが、そこで見つけたのはコオロギビールが入っている小さな冷蔵庫。
そばにはコオロギビールの紹介ポップと試飲した方が誰なのかわかるための名刺置きが置かれていました。
スタッフさんに許可をいただき、作業前にもかかわらずおもむろにビールに手を伸ばすワタクシ。コワーキングスペースにビールって、一番置いたらダメなやつじゃないですか(笑)
パッケージは会社名「BugsWell」のロゴマークのみのシンプルなデザイン。もちろん、この商品は試作品だと思いますので通常販売版のパッケージとは異なるかもしれませんが、一見ではビールにコオロギが入っているとは全く想像できません。
でも、パッケージ裏面を見ると飲用上の注意として「本品はエビ・カニなど甲殻類の類似成分が含まれています・・・(略)」と通常のビールでは見かけることがない文章が記載されていて面白かったです。
一般販売されたら友人に黙って飲ませてみようと企んでいましたが、事前に甲殻類のアレルギーではないかは確認しておかなければと思いました。
いざ試飲!気になるお味は?
それでは特に労働していない日のビール。いただいてみましょう。
カチャン(缶を開けた音)。大人にとっての下校のチャイムが鳴りました。
では、いただきます・・・。
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本当に美味しいんです。個人的に気に入りました。通常のビールよりも苦味が少なく、フルーティーな味わいです。最近では各地でクラフトビールが作られることが多いと思いますが、そんなフルーティーなクラフトビールのような味わいです。
これはビールが苦手な方でも美味しくいただくことができそうです。
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コオロギビールの解説を見てみると、以下のように書いてありました。
「コオロギなどの昆虫はタンパク質が他の食材と比べても多く含まれている」と聞いたことがあり、ボディビルやスポーツ選手の中でも昆虫食は注目されているなと感じていたところでした。でも、まさかコオロギをビールに応用するとは・・・。イノベーションの力、恐るべしですね!
なぜ今、食用コオロギなのか?
物資や食料が余るほど残っている現在の日本では考えにくいことかもしれませんが、世界人口は今後も増加の一途を辿り、2030年にはタンパク質の生産に対して消費が追いつかなくなると言われています。その原因は、私たちが何気なく食べている牛肉・豚肉などの畜肉のコストパフォーマンスが良くないことが挙げられます。
上の表は、コオロギ・豚・牛がそれぞれどのくらいの水と飼料があれば可食部1kgを生産できるかについてまとめたものです。牛や豚が大量の水や飼料が必要であることに対して、コオロギは本当に僅かの量で事足りることがわかります。
これからは、昆虫食を当たり前にしていくと同時に一般的に嫌悪されがちな昆虫食をいかに一般家庭に普及させていくことが大切だと考えられています。
そこで冒頭にご紹介した、コオロギビールの生産・販売を行なっている「BugsWell株式会社」さんは、“昆虫食を食材のスタンダードへ”をコンセプトに昆虫食の普及や提案を行っています。
なぜ今、昆虫食なのか?という問いに対して、以下のようにホームページで述べられていました。
成育する際に排出する温室効果ガスや
必要なエサ水の量・飼育するために
必要な土地などの環境負荷が
家畜に比べ極めて小さいことが特徴です。コオロギからはたんぱく質や栄養素を
効率よく摂ることができます。
なるほど、コオロギは栄養価が非常に高く、地球にも優しい合理的な食品だと分かります。
ホームページには続いて、環境負荷の割合が他の畜産と比べて圧倒的に少ないことや、他の畜産と比べて栄養成分がいかに高いかをわかりやすくグラフで紹介してあり、個人的にとても感動しました。
BugsWellが養殖するコオロギは、一般的に心配である衛生面・安全性・見た目から来る忌避感という問題に丁寧に向き合い、それぞれ解決しています。いわゆる「あの」コオロギの形を連想させないように粉末に加工し、調味料やスナックなどに利用しています。
そして完全国産生産と徹底的な衛生管理を行なっていますので、安心して食べることができるそうです。
おわりに
今回はコオロギが入った「めっちゃ美味しい」ビールを飲むという不思議な体験をしました。
そして少しずつではありますが、コオロギをはじめとする昆虫食は普及してくると感じています。
例えば無印良品の商品にはコオロギを原料にしたせんべいやチョコレートの販売が既に始まっています。
昆虫食(食用コオロギ)のBugsWell株式会社公式サイトです。私たちBugsWellは、昆虫が持つ可能性をイノベーショ…
今後は、学校でも食用コオロギを用いた給食なども出てくるのかも知れませんね!
「ゲテモノほど食ってみると美味い」という法則が正しいと実感した一日でした。
最後まで記事をご覧いただき、ありがとうございました!