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地域のブランドとは 「引き算」で高める地域引力 「イメージなければ選ばれない」/兵庫・丹波市(丹波新聞・2023年6月19日)
静岡県立大学の岩崎邦彦教授による講演会が兵庫県丹波市で開催され、地域ブランドの構築について語られました。岩崎教授は、これからのマーケティングは「押す力」ではなく、「引きつける力」が重要であると強調しました。
特に地域の魅力を高めるには、「行きたい」と思わせるブランド力が必要であり、そのためには「ベクトル合わせ」つまり関係者が同じ方向を向くことが第一歩です。ブランドは品質の上に成り立ちますが、「とんがり」、つまり際立つ特徴がないと消費者には選ばれません。
また、京都や北海道、沖縄のように明確なイメージが浮かぶ地域は強いブランドを持っています。知名度だけではなく、価値性、独自性、共感性を備えたブランドアイデンティティーの構築が大切です。
さらに、他地域の真似ではなく、「自分たちにしかない魅力」を掘り下げることが必要です。弱みとされがちな要素も、発想を転換すれば個性として引きつける力になります。例えば、シンボルの存在もブランドには欠かせません。例えばシンガポールのマーライオンのように、一目でイメージが湧くものがあると、訪問意欲を高める要素になります。
そして、「おいしい」は圧倒的なキーワードです。観光地として成功するには、食を通じて感動体験を提供する「ことづくり」が不可欠です。「いろいろある地域」は印象が薄まりがちであり、むしろ「引き算」の発想で魅力を際立たせることが求められます。
観光客の不満の多くは「混雑」であり、これからは「量より質」の観光が重視されます。リピート意欲と滞在意欲、そして支出の大きさが地域経済の持続性につながります。
最後に、観光業だけでなく、農業や商業、サービス業など地域の産業を掛け算することが、地域全体の引力を高める鍵であると述べられました。情熱とチャレンジ精神を持ち、行動に移すことが何より大切だと締めくくられました。
静岡県立大学経営情報学部教授の岩崎邦彦さんが登壇した講演会が、兵庫県丹波市で開かれた。岩崎さんは「人を引きつけ…