営利目的ではなく、環境や社会に配慮した融資を行うソーシャルバンク「GLS銀行」@ドイツ

 

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ソーシャルバンクがつくる、もうひとつの経済。ドイツ・GLS銀行50年の実践(IDEAS FOR GOOD・2025年4月11日)

GLS銀行は、1974年3月11日にドイツ・ボーフムで設立された協同組合銀行です。その正式名称は「Gemeinschaftsbank für Leihen und Schenken(貸付と寄付のための共同組合銀行)」で、設立当初から営利目的ではなく、環境や社会に配慮した融資を行ってきました。設立の原点は、銀行が融資を拒否したシュタイナー学校のために、有志で資金を出し合う「貸付共同体」を作ったことにあります。

現在のGLS銀行は、36万6千人の顧客、13万人の会員、約940人の従業員を抱え、再生可能エネルギー、オルタナティブ教育、福祉、持続可能経済などへの融資を進めています。また2009年には、トリオドス銀行(オランダ)、BRAC銀行(バングラデシュ)とともに、国際的な持続可能な銀行ネットワーク「GABV」を設立しました。

協同組合としての特徴は、会員一人ひとりが平等な一票の権利を持ち、「年次総会」での意思決定が重視される点です。今年の第50回年次総会では、財務報告や取締役の選出、気候変動やデジタル化に関する提案が議論され、銀行内外の関係者が活発に意見交換を行いました。

総会では、短期・長期双方の視点から気候変動やESG投資の重要性が語られ、民間セクターによる投資の必要性や、銀行自身が「変革の助産師」としてコミュニティと共にある役割についても強調されました。また、高騰する価格負担の公平性など、「社会的受容性」の課題にも触れられています。

最後に、総会を通じて「銀行という枠を越えたコミュニティ」であるGLS銀行の存在感が際立ち、50年の歴史を経て「未来を担う共同体」としての使命が改めて確認されました。

 

IDEAS FOR GOOD

50年前の小さな挑戦が、今や世界を動かす。ドイツの協同組合銀行・GLS銀行が50周年を迎え、年次総会で語られたのは、これ…