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株式会社umika(うみか)
広島県福山市では、中心市街地のにぎわいを取り戻すために、まちづくりの新たな取り組みが進められています。その一翼を担っているのが、2019年に設立された「umika(うみか)」というローカルチームです。umikaは、リノベーションによる地域活性化に取り組んでおり、多様な分野のプレイヤーが集まることで、独自のまちづくりを展開しています。
福山市の中心部、特に伏見町エリアは、かつては商業の中心として栄えていましたが、近年は郊外型商業施設の台頭などにより空洞化が進んでいました。そうした中、2018年ごろからリノベーションによるまちづくりが進みはじめ、小さな飲食店や雑貨店、オフィスなどの出店が相次ぎ、現在では30店舗以上が集まるにぎやかなエリアへと変貌しつつあります。
こうした流れの中で、「地域の価値を創出する」ことをミッションに掲げて誕生したのが、umikaです。代表の谷田恭平さんを中心に、建築設計、カフェ経営、ホテルやゲストハウスの企画、食品製造業など、異なる分野の事業者が集まり、少人数ながらも強力なチームを組んでいます。メンバーはそれぞれ自ら事業を営んでおり、umikaとしての活動も兼業で行っているため、柔軟性と実行力を兼ね備えている点が特徴です。ハード(空間整備)とソフト(運営や企画)の両面から、まちに新たな価値を生み出しています。
umikaの代表的な取り組みの一つが「Little Setouchi(リトルセトウチ)」というシェアキッチンです。これは伏見町に位置し、飲食業での創業を志す人々がチャレンジできる場所として提供されています。設備は高スペックながら利用料は低価格に抑えられており、事業のテストや短期出店に最適な環境が整っています。実際に、Little Setouchiをきっかけに独立した事業者も数多くいます。2020年に福山で開業したのを皮切りに、2021年には尾道にも拠点を設け、2025年6月には第3拠点となる施設を福山市御幸町にオープンする予定です。
また、umikaは「まちの空想倶楽部」という参加型ワークショップも展開しています。これは、地域住民や事業者が集まり、商店街ごとにまちの未来像やビジョンを語り合う場となっており、共通のコンセプトやキャッチコピーをつくることからはじまります。伏見町ではこの活動が「伏見路地構想」という形に発展し、実際に道路空間を歩行者天国にする社会実験なども行われました。
このように、umikaは都市の空間資源を創造的に再解釈し、持続的なまちのにぎわいを生み出す仕組みを構築している注目のローカルチームです。
umikaは「ローカルを地域価値にする」をヴィジョンに掲げるクリエイティブチーム。強い推進力を持って、事業企画・建築デザ…