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「待つ」はデザインできる。世界のバス停から、都市における“ムダな時間”を問う(IDEAS FOR GOOD・2025年3月31日)
バス停での待ち時間は都市生活における重要な要素です。スウェーデンのマルメ芸術大学の研究では、人々がバス停で無意識に他者との距離を調整する社会的行動が観察され、待ち時間が単なる時間の浪費ではなく、公共空間での人間関係や快適性に影響を与えることが示されています。
世界各地では、待ち時間を有意義にする取り組みが行われています。例えば、アメリカ・ボストンの「Browse, Borrow, Board」プロジェクトでは、バス停に設置されたQRコードを通じてデジタル書籍を借りることが可能です。オランダ・ユトレヒトの「Bee-Friendly Bus Stop」では、バス停の屋根を緑化し、ミツバチの生息環境を提供するとともに、都市の緑化にも貢献しています。
これらの事例から、バス停のデザインが人々のウェルビーイングや都市の公共性に大きく寄与することがわかります。待ち時間を快適にする工夫は、都市における「パブリック・ラグジュアリー」として、誰もが尊厳を持って過ごせる空間を創出する重要な要素となっています。
忙しなく動き続ける都市のなかで、「待つ」という行為は、ときに無駄な時間とみなされがち。しかし、バス停で過ごすわずかな時間…