注目キーワード
  1. 水産白書

令和7年度発行の水産白書の概要をさらに要約して紹介します

 

SeaGraphが簡潔にお届けする「情報保管庫」です。

他の情報は こちら から!

 


令和7年度発行の水産白書の概要紹介

 

海洋環境の変化とその影響

・地球温暖化による海水温の上昇、台風の強大化、赤潮の頻発、海洋酸性化などが報告されており、水産資源や漁業活動に影響を与えています。
・高水温によるノリの色落ちや、イセエビ・アワビの生息環境の悪化が顕著であり、漁場の変化や漁獲量の減少の要因となっています。
・対応策としては、高温耐性品種の開発、藻場・干潟の回復、飼料の国産化などが推進されています。

 

水産物需給・消費・貿易

・世界的には魚介類の消費量が増加している一方で、日本では減少傾向が続いています。
・国産水産物の需要拡大に向けて、広報活動や学校給食への提供、6次産業化などの取り組みが進められています。
・貿易面では、輸出額が増加傾向にあるものの、円安や燃油価格の高騰が課題となっています。

 

漁業・養殖業の現状と課題

・漁業就業者の高齢化や減少が進んでおり、担い手の確保が急務となっています。
・ICT、AI、ロボットなどを活用したスマート水産技術の導入が進み、省力化や効率化が図られています。
・養殖業の生産量は増加傾向にあり、技術革新による産業化が期待されています。

 

水産資源の管理と漁場環境

・TAC(漁獲可能量)やIQ(個別割当)の導入拡大により、水産資源の管理強化が図られています。
・クロマグロなどについては、漁獲量の報告義務化や法改正によって、トレーサビリティが強化されています。
・海洋ごみの削減や保護礁の整備などにより、漁場環境の改善にも取り組まれています。

 

国際的な水産業の動向

・養殖業の生産量は、中国やインドネシアなどの新興国で急増しています。
・違法・無報告・無規制(IUU)漁業に対する国際的な対策が強化されています。
・国際資源管理機関(RFMO)との連携を通じて、持続的な資源利用の推進が図られています。

 

漁村と海業の振興

・漁村は、水産資源の管理や災害対応などで重要な役割を果たしており、定住促進や働き手の確保が求められています。
・観光や体験、商品開発などの地域振興活動である「海業」によって、新たな価値の創出が期待されています。

 

大規模災害・ALPS処理水への対応

・東日本大震災や能登半島地震に対する復旧支援や、ALPS処理水の放出に伴う風評被害への対策が推進されています。
・科学的根拠に基づく情報発信や、漁業者への支援制度の整備が進められています。

 

持続的な水産業のための施策

・「みどりの食料システム戦略」に基づき、環境負荷を低減する漁業が推進されています。
・スマート技術の導入やカーボンニュートラル対応、デジタル化などが横断的に展開されています。
・施策の効果検証や統計の整備、地域主体の創意工夫の促進が求められています。