SeaGraphが簡潔にお届けする「情報保管庫」です。
他の情報は こちら から!
ハワイ発。使わなくなったサーフボードからつくる、低コストの“強い”家(IDEAS FOR GOOD・2025年5月15日)
ハワイの建築会社「Hawaii Off Grid」は、使用済みのサーフボードから新たな建築素材「サーフ・ブロック」を開発しました。この素材は、サーフボード製造時に発生する発泡スチロールの廃材を回収・粉砕し、断熱材入りの複合コンクリート型枠(ICCF)として再生したものです。耐火性や耐嵐性、耐久性に優れ、軽量でエネルギー効率も高いため、冷暖房にかかる電力を大幅に削減できます。さらに、施工が簡単で多様なデザインに対応可能なため、戸建て住宅から集合住宅まで幅広く利用できます。
ハワイは全米で最も建築費が高い州であり、住宅価格の中央値は約68万ドル(約9,600万円)に達しています。また、2023年8月にマウイ島ラハイナで発生した大規模な山火事では、住宅の96%を含む2,200棟以上が焼失しました。このような状況下で、地産地消の再生建材であるサーフ・ブロックは、住宅供給の安定化と災害復興の両面から重要な役割を果たす可能性があります。
ハワイでは多くの建材を米本土から輸送しており、その輸送コストが建築費や住宅価格を押し上げる要因となっています。サーフ・ブロックのような再生建材の活用は、新たな資源の使用を抑え、温室効果ガスの排出削減にもつながります。経済的な住宅づくりを可能にするこの技術は、建築費の高い地域で復興住宅や低所得者向け住宅を建設する際、重要な役割を果たしていくかもしれません。
廃棄されるはずだったサーフボードが、新たな暮らしを支える礎となる。持続可能な未来の住まいを築くために、私たちは限られた資源をどう生かし、どのように環境に貢献していくのか──その選択が問われているのではないでしょうか。
建築費が全米最高水準に達するハワイで、再生サーフボードから生まれた新建材「サーフ・ブロック」が注目されています。火災に強…