SeaGraphが簡潔にお届けする「情報保管庫」です。
他の情報は こちら から!
「どうせ潰れる、お前がとどめを刺す勢いで」の檄で目が覚めた。ダメ水族館をV字回復させた「7つの当たり前」(BIZHINT・2023年8月29日)
愛知県蒲郡市の竹島水族館は、かつて「日本一ショボい水族館」と揶揄され、閉館も検討されるほどの状況でした。飼育員たちは「お客様がいないほうがうれしい」と感じるなど、来館者への関心が薄く、組織全体に危機感が欠如していました。市営で赤字経営が続いていたものの、上層部の意向が絶対で、職員の意見が反映されにくい体制が続いていたのです。
2015年に民間委託へと移行し、館長に就任した小林龍二氏は、改革の第一歩として「何がダメなのか」を全員で洗い出しました。しかし、この手法は職員のマイナス思考を助長し、逆効果となってしまいました。
そこで小林氏は、「どうせ潰れるんだから、とどめを刺す勢いで」という檄を飛ばし、職員の意識改革を促しました。「お客様がいないほうがうれしい」という飼育員の本音を逆手に取り、彼らの得意分野を活かす組織づくりを進めたのです。例えば、魚の解説にユーモアを交えたPOPを設置し、来館者とのコミュニケーションを図りました。また、「お小遣い制」を導入し、各飼育員に予算を持たせることで、責任感と創意工夫を促しました。
これらの取り組みにより、竹島水族館は入場者数を12万人から約47万人に増加させるなど、見事なV字回復を遂げました。小林氏は、限られた資金の中でも人間の知恵や工夫には限りがないことを証明し、組織改革の成功例として注目されています。
客がまったく入らず「日本一ショボい水族館」と嘲笑され閉館も検討されていた愛知県蒲郡市の竹島水族館。「お客様がいないほうが…