SeaGraphが簡潔にお届けする「情報保管庫」です。
他の情報は こちら から!
いつまでも魚を食べられるように。欧州の漁業に学ぶ、海洋保全のヒント(サストモ・2025年8月22日)
海洋ごみや海水温の上昇によるサンゴ礁の白化など、海の生態系を脅かす問題が深刻化しています。本記事では、海洋環境と両立する持続可能な漁業を目指す欧州の取り組みを紹介しています。
EUでは、研究・イノベーション支援プログラム「Horizon Europe」を通じ、「2030年までに海洋・内陸水域の健全性を回復する」というミッションを掲げています。955億ユーロの予算によって、プラスチック汚染対策に取り組むスペインの「Searcular」、漁船の脱炭素化を目指す「Seaglow」など、さまざまなプロジェクトが展開されています。
また、EUの共通漁業政策(CFP)見直しにより、クリーンエネルギーの導入や化石燃料依存からの脱却が推進され、環境保護が漁業政策の中心に据えられました 。特に、底引き網漁が海底生態系に与える負荷は大きく、ギリシャでは2024年に海洋保護区内での全面禁止が宣言されるなど、禁止に向けた動きも進んでいます。
一方、日本の漁業は地域に根ざした漁業協同組合が中心で、全国一律の規制は導入しづらい構造です。地域経済や文化への影響も考慮される必要がありますし、消費者の関心も価格や栄養価が主体であることから、環境配慮型の変化は緩やかな傾向です。
こうした背景から、日本では欧州の取り組みを学びつつ、自治体や住民、企業など多様な主体が協働して、地域に即した持続可能な漁業の仕組みをつくることが求められています。また、私たち消費者一人ひとりにも、MSC認証のようなエコラベル付き商品を選ぶなど、日常から海洋保全に貢献する意識が大切です。
サストモは、未来に関心を持つすべての人へ、サステナビリティに関するニュースやアイデアを届けるプロジェクトです。メディア、…
NCP Japan はHorizon 2020 への日本からの参加支援を行っています。…