SeaGraphが簡潔にお届けする「情報保管庫」です。
他の情報は こちら から!
流氷溶解後の知床沖に魚や鳥類の好物「オキアミ」の大群、豊かな生態系証明…東京農大など研究結果(読売新聞オンライン・2025年4月28日)
東京農業大学と水産研究・教育機構の研究チームは、流氷が解けた後のオホーツク海にクジラや魚、鳥類が集まるのは、餌となる動物プランクトンが流氷の来ない海よりも高密度で繁殖しているためであると明らかにしました。特に知床沖では好物のプランクトンが多く生息しており、豊かな生態系が育まれる理由が初めて定量的に裏付けられました。
研究チームは2022年春と夏に北海道周辺の海域で動物プランクトンを採取し、春のオホーツク海沖合でプランクトンの密度が日本海の十数倍に達していることを確認しました。特に知床岬沖では、採取したプランクトンの半分が「チロ」と呼ばれるオキアミの一種であり、これがクジラやサケマス、渡り鳥にとって重要な餌となっています。
チロは採取が難しいため、研究には約10年の準備期間を要したと、チームの中川至純教授は述べています。研究結果は、日本水産学会で発表されました。また、別の研究者である小林万里教授は、流氷や海流が運ぶ鉄分と栄養分がプランクトンの繁殖に不可欠であり、近年の流氷減少が生態系に与える影響を注視する必要があると指摘しています。
【読売新聞】 流氷が解けた後のオホーツク海などにクジラや魚、鳥類が押し寄せるのは、餌となる動物プランクトンが、流氷の来な…