2ヶ月ぶりくらいに、日中の予定がなくなって時間ができた日。
朝のコーヒーを淹れながらふと窓を見上げると、びっくりするくらいの快晴でした。
久しぶりに、カメラ片手に長崎のまちをぶらついてみるか。
今日はそんな行き当たりばったりでも最高に楽しめる、長崎のまちをご紹介します。
【移動】痒いところに手が届く、長崎バス。
自宅が路面電車の通るメインストリートからかなり遠いので、よほどのことがない限りバスで移動しています。
最寄りのバス停は交通の便がよく、およそ10分おきに長崎駅方面に向かうバスが来ますので、適当な時間に家を出発して大丈夫。見晴らしの良い最寄りバス停でバスを待ちながら、どこに行こうかぼーっと考えていました。
長崎は地形的に坂道に囲まれる構造になっているため、バスの路線は非常に細かく分類されています。バス路線に慣れたら乗り継いでどんなところにも行けますので、長崎で暮らしやすくするコツの1つは「バスの乗り方や行き先をある程度把握しておくこと」かもしれません。
バスの窓は水垢一つない綺麗な窓ばかりでいつも驚きます。特に長崎バスは担当制らしく、運転手さんは自分の愛車としてを常に手入れをしているそうです。
乗客に長崎の素晴らしい景色を堪能してもらうために、日々綺麗なバスを維持してくれている運転手さんに感謝しています。
どこに行くかは未だに考えておらず、なんとなく眼鏡橋方面に向かっていましたが、ついウトウトして眼鏡橋の最寄りバス停を寝過ごしてしまいました。江戸町の旧長崎県庁周辺に降り立ったところ、工事現場のような雰囲気が出ている旧県庁跡地が開いていたので覗いてみました。
【旧長崎県庁跡地】長崎の始まりの地で、歴史は繰り返す。
旧長崎県庁跡地は、これから整備されて市民のための広場や交流の場など、多目的施設として活用されるそうです。その第一段階として、旧県庁跡地の一部分を市民に開放することで、休憩場所や古い写真の展示などを行っていました。
休憩スペースには地域の方が考案された持ち運び可能なイスや、旧県庁周辺の6つの町名をデザインしたテーブルが置かれており、自由に使って良いそうです。
視線を奥の方にやると、テントの中で県庁跡地を管轄する県職員の方がいました。話を聞くと、担当課の職員さんが日替交代で休日も含めてリモートワークをしていると聞き、とても驚きました。特に公務員関係の職業は月〜金で仕事をするイメージが定着していたからです。
旧県庁跡地では、まちのために働き方の常識を疑い、柔軟な働き方を実現できる環境が構築されていました。この場所は長崎の歴史が始まった重要な場所であり、もし歴史は繰り返すのならば、旧県庁跡地から長崎の新しい歴史が始まるのは必然です。長崎の変化の起点となる旧県庁跡地では、今日も面白いことが起こっています。
▼詳しい情報はこちらから!
そんな旧県庁跡地で撮影したスナップ写真。やっぱり、長崎のまちには青空が映えるんです。
【出島ワーフ】みなとまち長崎のポテンシャル、半端ないです。
もっと広い空と青い海を近くで見ようと、やってきたのは出島ワーフ。港町の雰囲気を存分に味わえる贅沢な景色を眺めていました。
稲佐山と長崎港、ボートたちを臨んだ一枚。これ、今日のベストショットです。
こんな非日常に思える景色が日常に溶け込んでいるのが長崎のまちのすごいところです。
106年間、現役で動き続けている世界遺産のジャイアント・カンチレバークレーンも綺麗に映ります。
長崎港で特に目を引く帆船の観光丸も、長崎のまちをワクワクさせるエッセンスとなっています。
以前、お店がリニューアルされました!とながさきログでご紹介したATTIC secondがある出島ワーフ。 お店が長崎港と面しており、心地よい潮風が常に感じられるここは気分転換によく訪れています。[…]
だから、このまちは絶対に面白くなる
全国を飛び回っている広場ニストの山下裕子さんがご来崎の際、そのような言葉を残していきました。
当初はその意図を感じることが難しかったのですが、落ち着いて長崎のまちを眺めていると、本当に面白いまちだなと思います。道路の中央を占めているのは車じゃなくて路面電車というだけで面白い。
市民憩いの場である広場も、どんどん整備されています。長崎の広場で特に良いなと感じているのが、綺麗なトイレがたくさんあること。旅行者にとってトイレ問題は非常に重要で、まちを見渡せばすぐトイレを見つかる場合がほとんどです。特に出島表門橋公園のトイレは多くの人が気づきやすい環境に設置されており、トイレも使いやすく、ベスト・オブ・トイレだと勝手に思っています。
出島表門橋公園を抜けて、無骨な鉄橋を渡っていきます。途中でミニ出島を撮影する観光客の姿がイキイキしていたのでつい撮影。今日という絶好の観光日和に長崎のまちを満喫いただいたようで、楽しんでいる観光客の姿を見て僕も自然と笑顔になっていきました。
【お土産】九州のストーリーと魅力が詰まったセレクトショップ。
以前からずっと気になっていたお店だった「九州みやげ いろはや」さんに行くことができました。九州各県のストーリーが詰まったお土産をセレクトしている、個人的にドストライクなお店です。
すべての商品をいくらでも解説や紹介できるという笑顔の店員さんに招かれ、店内を物色。波佐見焼の食器やコップに囲まれ、九州の魅力を一気に堪能できるお店で、気がつけばいくつか商品を片手にレジに並んでいました。
そんな中で気になったのが“焼きあま”というおつまみ。“あま”って何でしょう。焼きが甘い(=半生)のため、食べる直前に炙って香りと暖かさを楽しむのかと思っていましたが、なんと“あま”は魚の地方名とのことで、標準和名は「ヨロイイタチウオ」というそうです。水産学を学んでいる身でありながら、魚を一致させることができなかったのは不覚でした。
ちなみに、帰宅後は炙った“あま”とみんな大好き吟醸芋焼酎の磨き大島と共にいただき、長崎の魅力を夜まで満喫したところです。
【昼食】オレンジの看板が目印のTHE・下町の中華料理屋さん。
話を戻しまして、出島から新地中華街・浜の町を経由して眼鏡橋を目指して歩きます。
銕橋とかいてテツバシと呼ばれる長崎人に必須な橋ですが、なぜかいつもハトが大量発生しているんです。誰か餌をあげている人がいるのか・・・。
まちを歩いていると、唐突ですがお腹が空いてきました。時計を見ると13時を少し回った頃。眼鏡橋に訪れるのはご飯のあとでも大丈夫と判断し、少し遅めの昼ごはんを食べるべく足を運んだのが中華飯店 三吉(ちゅうかはんてん さんきち)さん。市役所通りから歩いてすぐのところにある、オレンジの看板が目立ちます。
注文したのは中華丼の大盛り。+100円で大盛りにしても750円で、本当に大満足できます。豚肉や野菜が入った甘めのあんに半熟卵を入れ、仕上げにごま油をひと回し。記事を書きながら想像するだけでもお腹が空いてくる、僕のお腹は完全にパブロフの犬状態になっています。
実はこのお店、数年間ほぼ毎週通っているお店で、暖かい想いが詰まった下町中華のイメージをそのまま具現化したような空間になっており、とても居心地が良いんです。
(お気に入りのメニューNo.1は実は去年までやっていたラーメン…。復活してくれないかなー)
当然、ちゃんぽんや皿うどんも絶品です。地元長崎の味を楽しむ事ができますので、市役所周辺でお昼に困ったら、ぜひ「中華飯店 三吉」さんをご贔屓に!
【観光】長崎400年の歴史を紡ぐ、全国の石橋のお手本とカフェ。
新庁舎の市役所前の横断歩道。まちを歩いていると、とにかく旅行者が多く、そして道を聞かれます。特に多かったのが丸山の梅園身代り天満宮への行き方。確かに、今日は綺麗な梅の花を見ることができそうですね。
そんなわけで戻ってきました、今回のまちあるきの目的地である 元祖ウユニ塩湖 眼鏡橋。やはり青空だと写真も映えますね。水の反射も相まって、メガネの理由がよくわかります。長崎人にとっては常識の範囲内と思いますが、観光客の方が必死にハートストーンを探している姿もよく見られました。
眼鏡橋を堪能した後に訪れたのは、すぐ近くにある古川町にあるHafH Café & Bar(ハフ カフェ アンド バー)。僕のお気に入りのカフェの一つです。
こちらのハンドドリップで淹れられたコーヒーが本当に美味しくて、オフの日にはよく訪れています。コーヒー豆を冗談ではなく20回以上購入し、自宅でもお土産としても活用しているヘビーユーザーです。
実は、コーヒー豆200gを購入すると、スタッフさんのご厚意でドリンクの無料チケット(1部商品は対象外)を同封してくれるんです。最近は豆だけ買うことが多くてチケットが大量発生してしまっているので、長崎のまちに興味がある後輩にプレゼントすることで、長崎のまちを楽しんでもらうきっかけにしています。
時計を見ると夕方に近づいてくる時刻。そろそろ家戻って、今日訪れた場所のまとめなどをやってみよう思います。
【おわりに】自分のまちを散策したいと思えるまち、長崎。
自分の住んでいる地域を真面目に散策することなんて、長崎に来るまでしようと思ったことはありませんでした。しかし、この長崎は複雑な歴史と文化が紡がれた豊かな土壌が整っています。
日常で、そこにいるだけで面白い。そんな場所が長崎には至る所にありますので、このまちの楽しさを多くの人に知ってもらえればと思って記事にしてみました。
もちろん、今回ご紹介したものは長崎の魅力のほんの一部分です。もっとディープで、魅力の詰まった長崎をこれからもご紹介していきますので、長崎のまちをどうぞお楽しみください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。