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MORIUMIUS(モリウミアス)
「MORIUMIUS(モリウミアス)」は、宮城県石巻市雄勝町にある自然体験型の複合学習施設です。東日本大震災で甚大な被害を受けたこの地域において、築93年の旧桑浜小学校を約5,000人ものボランティアや著名建築家・隈研吾氏の協力のもとで再生し、2015年に開設されました。その名には「森」と「海」—自然との共生を基盤にした学びの場を目指すという想いが込められています。
モリウミアスは、子どもたちが自然の中で生きる力や社会性を育むことを目的に、さまざまな体験型プログラムを提供しています。その最大の特徴は、豊かな森と海に囲まれた環境の中で、農業、漁業、薪割り、動物の世話、自炊など、自然と密接に関わる日常生活を実体験できることです。こうした活動を通じて、子どもたちは自然の循環や命のつながりを体感し、持続可能な暮らしについて学びます。
また、モリウミアスでは地域住民や国内外から訪れるスタッフ、JETプログラムで派遣された外国人教師など、多様な背景を持つ人々との交流が日常的に行われています。子どもたちはその中で他者との関係性を築き、異なる価値観に触れることで、豊かな人間性と広い視野を育んでいきます。
施設内では、自然資源を活かしたサステナブルな生活が実践されており、生ゴミの堆肥化や薪の利用など、環境への配慮が日常に組み込まれています。これらの実践を通じて、子どもたちは「自然とともに暮らす」という考えを肌で感じ取ります。
モリウミアスは単なる学びの場にとどまらず、地域の未来を創る拠点としても重要な役割を担っています。地域の人々と協力しながら、復興と持続可能な社会の実現を目指し、施設外でも葡萄畑やワイナリー、食品加工施設、レストランなどを備えた「雄勝ガーデンパーク」開発といった新たなプロジェクトも進行中です。
このように、モリウミアスは「自然と共に学び、地域とつながる」ことを通じて、子どもたちの未来に必要な力を育む学び場として、今後もその歩みを続けていきます。