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山積みのホタテ貝殻が「頭と地球」を守る?…大阪万博でも採用、社員11人の町工場発「ホタメット」とは?(Newsweek・2025年6月26日)
「守るのは、頭と地球」というキャッチコピーの自転車用ヘルメット「ホタメット」は、廃プラスチックとホタテの貝殻を使った新素材「シェルテック」で作られたアップサイクル製品です。大阪の町工場「甲子化学工業」が製造し、開発を担当した南原徹也さんは、環境に配慮した製品を作るため、猿払村の貝殻と廃プラを組み合わせることを思いつきました。
ホタテ漁の盛んな地域では、大量の貝殻の廃棄が問題になっていますが、これを資源として活用し、CO2排出を減らしながら強度の高い素材を生み出しました。従来は人目に触れにくい部分に使われていた廃プラを、命を守るヘルメットに使う発想が特徴です。
デザインには貝殻の構造を生かしたリブ模様を取り入れ、一般的なヘルメットより強度を高めました。表面には粒状の貝殻をあえて見せ、質感をデザインに活かしています。自転車の着用義務化や防災需要を見据え、若い世代や女性が手に取りやすい色にも工夫しています。
このヘルメットはクラウドファンディングで話題となり、大阪・関西万博の公式ヘルメットとしても採用されました。南原さんは仲間と協力しながら課題解決を進め、漁師町が抱える貝殻廃棄の問題解決を目指しています。
<日本有数のホタテ産地では年間約4万トンの貝殻が廃棄されて問題に──厄介な貝殻と廃プラでヘルメットを作る「意外な挑戦」が…
ホタテの殻から生まれたヘルメット。日本人がもっとも食べる貝、ホタテ。それは、もっとも貝殻が捨てられる貝でもありました。も…