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東急電鉄の脱炭素施策、共感した学生が自ら認知向上に動く(altherna・2025年5月9日)
東急電鉄は2022年4月、全路線と駅運営に使用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替えるという、日本初の取り組みを実現しました。しかし、その認知度は沿線住民の間で約25%にとどまっていました。
この状況に着目した慶應義塾大学の阪田留菜さんは、企業の一方的な情報発信では限界があると感じ、消費者と共に取り組みを広めるプロジェクトを構想しました。
阪田さんは、消費者から集めた写真でモザイクアートを作成し、「東急電鉄=再エネ」をプロモーションすることを提案しました。東急電鉄はこの提案を歓迎し、広報・マーケティング部が主導してプロジェクトを進めました。
2024年3月には、一般の人々から「2030年カーボンハーフ、2050年ゼロエミッション達成のために、あなたがこれから先も続けたい好きなこと」をテーマに写真を募集し、約100人から400枚の写真が集まりました。これらの写真を用いて制作されたポスターは、同年10月28日から1週間、東急線渋谷駅にて大型バナーで掲出され、11月から2025年1月初旬までの約2か月間、東急線の各駅に張り出されました。
阪田さんは、「ポスターという広告の観点ではグリーンウォッシュにならないよう意識することも重要と感じた。消費者が企業の良い取り組みを知るだけで終わるのではなく、実際の生活や仕事の中で気候変動を抑止するアクションにつなげることが大事」と述べています。
この取り組みは、2023年3月、東京都環境局認定事業「DO!NUTS TOKYO」のアイデア・ピッチ大会でこの構想を発表し、「For Good賞」を受賞し、企業と若者が協力することで、地域社会全体を巻き込んで環境問題への意識を高める好例となりました。