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経済産業省の若手プロジェクトPIVOT、「デジタル経済レポート」を発表

 

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デジタル経済レポート~データに飲み込まれる世界、聖域なきデジタル市場の生存戦略~(BUSINESS INSIDER・2025年5月20日)

2025年4月末、経済産業省の若手プロジェクト「PIVOT」が、『デジタル経済レポート』を発表しました。本レポートでは、現代を「聖域なきデジタル市場」と定義し、ハードウェアの販売にはソフトウェアというサービスの価値が不可欠であること、そしてそのソフトウェアの競争力にはデータが必要であるという問題意識が示されています。つまり、現在は「データにすべてが飲み込まれる世界」であるというのが、報告書の基本的な見立てです。

第2章では、日本が抱える「デジタル赤字」の構造的問題と、今後の悲観的なシナリオについて掘り下げています。従来、日銀が用いる分類方法では、デジタル取引と無関係なサービスまで含まれてしまうという課題がありました。これに対し、PIVOTでは企業の財務情報を活用し、8つの事業区分で再分類することにより、より実態に即した「デジタル赤字」の推計を行っています。

この推計によると、2035年までに日本のサービス収支赤字はベースシナリオで約18兆円、悲観シナリオで約28兆円にまで膨らむ可能性があります。特に悲観シナリオでは、現在かろうじて優位性を保っている分野でも外資系企業に市場を奪われるリスクが指摘されています。

さらに報告書では、サービスがモノに組み込まれて輸入されることで、統計上はデジタル赤字に見えない「隠れデジタル赤字」の問題にも触れています。自動車のようにソフトウェアによって性能が決まる製品(SDV:Software-Defined Vehicle)では、そのOSやクラウド基盤が外資系企業に依存しており、見えにくい形で外貨が流出しています。

加えて、SDX(Software-Defined Everything)化が進むことで、ソフトウェアの影響力が増し、日本の伝統的なモノづくりの競争力が落ちるリスクもあります。このような「隠れデジタル赤字」と「SDX赤字」は合計で最大約17.3兆円とされ、これらを含めると日本のデジタル関連赤字は最大約45兆円に達する可能性があると報告書は指摘しています。

最終的に本報告書は、現状分析にとどまらず、他国の事例や生存戦略を踏まえて、日本が今後どうすべきかという方向性まで提示しています。今後はその「処方せん」部分についても別途紹介していくとのことです。

 

Business Insider Japan

自動車産業における「隠れデジタル赤字」など、ソフトウェア・データを中心とした「聖域なきデジタル市場」時代における日本の現…

 


 

 

「デジタル経済レポート」のダウンロードはこちらから
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/digital_economy_report/digital_economy_report.pdf