快適なまちづくりに寄与する「熱的快適性ガイドライン」を導入@カナダ・トロント

 

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トロント市が「四季の熱快適性基準」を採用。体感温度を重視したまちづくりへ(IDEAS FOR GOOD・2025年8月28日)

カナダ最大の都市、トロント市が「熱的快適性ガイドライン(Thermal Comfort Guidelines)」を導入しました。これは2025年2月に市議会で採択されたもので、公園や広場、歩道といった屋外の公共空間を一年を通じて心地よく使えるようにするための都市計画基準です。

温度だけでなく湿度、風速、太陽や建物からの放射熱という四つの要素を総合的に評価し、人間の体感に近い「Universal Thermal Comfort Index(UTCI)」を基準に採用しています。夏季(6〜8月)には、日中6時〜21時のうち65%以上の時間、UTCI を9〜32 ℃に維持することを目指します。冬季(11〜2月)は、8時〜17時のうち30%以上の時間、UTCI を0〜26 ℃にすることが推奨されています。

具体的な対策としては、夏の暑さ対策に樹木の配置、ミストの噴射装置、池や噴水の設置、給水ステーションの整備などが挙げられます。冬の寒さ対策には、風を遮る植栽や構造物の設置、太陽光を取り込む設計などが推奨されています。

また、このガイドラインは気候変動による猛暑や健康リスクの高まりに対応したものであり、公平性の観点から、公共空間へのアクセスが不足している地域や社会的弱者への配慮も含まれています 。さらに、人や動物、植物を含めた都市の“生命全体”の快適性を考える「ライフ・センタード・アプローチ(生命中心のアプローチ)」も特徴とされています。

このように、「機能」や「効率」だけでなく「心地よさ」を都市設計の評価軸に据えたトロント市の取り組みは、他都市にとっても先進的なモデルとして注目が集まっています。

 

IDEAS FOR GOOD

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City of Toronto

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