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カシニワ制度
カシニワとは、「柏の庭」と「貸す庭」を掛け合わせた造語で、2010年に千葉県柏市で始まった取り組みです。空き地や荒れ地、使われなくなった畑などの土地を、市が地権者と市民団体などの間で仲介し、マッチングを行います。契約を締結したうえで、これらの土地を地域の「共有庭」として整備・公開することを目的としています。
この制度には、二つの柱があります。まず一つ目は「カシニワ情報バンク」です。これは、土地所有者と活動を希望する団体の“お見合い”を市が仲介し、契約締結までをサポートする仕組みです。二つ目は「カシニワ公開」で、整備された土地を「地域の庭」や「オープンガーデン」として登録し、地域に開かれた形で公開するものです。
さらに、こうした緑地の維持管理を支援する制度も充実しています。苗木や道具の購入費、作業に必要な資格の取得費などに対する助成制度が整備されており、市の外郭団体による活動資金の支援も行われています。
カシニワは、公園だけではカバーしきれない、より身近な緑地や人々が集える空間を、市民が主体となって創出する仕組みです。その効果は景観の改善にとどまらず、防災機能の強化や地域コミュニティの再生にもつながっています。これまでに数百件のカシニワが登録されており、「まち全体をひとつの大きな庭にする」取り組みとして、全国的にも高く評価されています。