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父親にも“弱さ”を出せる場所を。LAで広がる「Dads Coffee Club」(IDEAS FOR GOOD・2025年10月19日)
「大黒柱として家族を支えねば」「弱音を吐いてはいけない」「涙を流してはいけない」といった“男性=強くあるべき”という固定観念に、息苦しさを感じたことはありませんか。特に子育て期の父親には、変化する環境のなかで自分の感情を抑え込み、「強さ」を演じ続けてきた人も多くいます。実際、1歳未満の子どもを持つ父親の約11 %が産後うつ(メンタル不調)のリスクを抱えており、母親とほぼ同じ水準という調査もあります。
米・ロサンゼルスで始まった「Dads Coffee Club」は、こうした父親たちが“そのままの自分”でいられる場を提供しています。創設者の Ron Holden Jr. 氏は、自身も二児の父として「母親向けの支援はあっても、父親には似たような居場所がない」と気づき、カフェで父親と子どもたちが気軽に集まる時間をつくりました。
この活動には決まったルールや議題はなく、コーヒーを片手に近況を語り、子どもが店内を走り回るのを見守る、というゆるやかな時間が流れています。育児の疲れや仕事の葛藤を誰かと共有できる場であり、「完璧な父親」であろうとすることを手放せる場所です。
日常空間がケアの場になる、という点もこの活動の特徴です。カフェや公園、美術館など「普通の場」で、父親が安心してほどける時間を持てるようになっており、これは制度や仕組みによらず、身近なところから社会の「男性性」の型を問う取り組みともいえます。日本でも、父親が自らの感情を言葉にでき、誰かと共有できる社会は、家族にも優しいものを生むでしょう。ロサンゼルス発のこの小さな輪は、「父親が弱さを隠さなくてもいい社会」への第一歩として注目が集まっています。
「家族を支える存在であれ」「弱音を吐かないことが男らしさ」そんな価値観が今も父親たちを縛っていないでしょうか。 ロサンゼ…
